修行山行の似合う山:別山:上小池~三の峰経由~別山山頂~大平壁ワンデイ滑降 [山スキー]
たぶん、大平壁は本来は中央の岩の出っ張り下までを指すのだろうと思います。斜度的にはあまり変わらず、43度くらいの斜面が下まで続いている感じです。今回は時間の都合も考え、敢え無くトラバッてしまいました。岩の下部まで滑ると実際はトラバースラインはとれなくなります。
後から考えると、やはり下まで滑り込むべきだったのかなと、悩みます。
そこは大平壁じゃないよと言われそうです・・・・詳しい方がいらっしゃればご教示願いたい、ところです。
めっこ山岳会 青島 靖氏・酒井正裕氏の資料をもとに、別山南面 大平壁を滑走してきました。この場をお借りして謝辞に代えさせていただきます。
まさに起死回生の一発!!
念願かなって、鳩ヶ湯温泉から別山:大平壁滑走日帰りを決行しました。
前日、重症患者さんが入院され、てんやわんや。頑張って考えうる限りの点滴メニューを作成し、夜には状態が落ち着いてきた。
これはひょっとして行けるかも!!ということで深夜帰宅し出撃準備。もう今シーズンラストチャンスであろう、別山大平壁に日帰りで臨む。帰宅時間を夕方に設定しできるだけ早出、早帰りを目指すため、おそらく大平壁は上部核心部だけかじってあとは谷までの滑走はやめておこう。・・単独でもあるしね。と言う予定で全体像をイメージ。あとは鳩が湯温泉からどこまで車が入るのかにかかっている・・・・・
さて、勝山の鳩ヶ湯温泉に前日電話で雪や通行止め状況を確認してみた。雪は結構あるよ・・・、通行止めはひょっとして作業車が置いてあり通せんぼかも・・・ということだったので、MTB装備で出撃だ。
鳩ヶ湯温泉先の橋でゲートがあるが、これは置いてあるだけなのでどかして通過。こりゃ幸先よいわ~~必ず別山山頂は落とさないと、MTBで旅立った人たちに対し、立つ瀬がないからね。
早朝3時半起床4時出発。わくわくする暗闇スタート・・・・・南面・低緯度・標高800m付近の登山口・・夏山か??と思えるほど雪が無い。スキー兼用靴での登山道歩きはキツっ~~~。結局このあと2000mまでほとんど雪の斜面に出会うことなく経過・・・三の峰直下になってようやく西面に雪が着きだす。三の峰をうまくトラバースできるかと思ったら強烈な藪につかまり少し下降して雪のあるところに脱出。この後はかろうじてつぼ足トラバースで稜線へ・・・(結局山頂までつぼ足でした!!)稜線からはしっかりう雪が着き、目指す別山大平壁は完璧な雪付き!!こりゃー行くっきゃないでしょ!でも今日は早帰りが必至なのと、単独・2ヶ月のブランクで体力不明のため大平壁の滑りこみは最小限になりそう。核心部分だけ楽しめればまあいいか・・・という気分でカラスノ谷下部を観察しながら、稜線漫遊を楽しむ。
途中、別山平で三の峰避難小屋泊の先発4名のつぼ足さんとすれ違い、少しお話。(この後帰りに追いついてまたまたおしゃべりすることとなる。)さて予定より、少し遅れて山頂到着・・・09時45分5時間45分の完璧な修行であった。夏道・夏山兼用靴歩きは本当につらかった・・・大平壁を三の峰から落とす目標あっての忍耐であった(なえそうな気分での夏道歩きだったがなかなかやるな、俺って・・・と思いました)山頂祠で山の神様と、亡きあいつ・・・に今日もここまで導いてくれてありがとうと祈る。
忍耐の後は、果して快楽か? 行動食だけの昼食だが、アドレナリンバンバンだ。さあ、10時05分スキーセット。バックルを最大に締め上げて、いざいざ!!山頂石標タッチからダイレクトに滑り込む。クレバス帯には注意して少し横から観察。大平壁最大斜度の斜面を一気に滑走。最高の落下運動(でも斜度は大したことはなく40-45度の一枚バーン)標高差にして300mをほんの2分で終了。大馬鹿である。2分のためにここまで修行が必要なのである・・・・もう完全に陶酔してその後は、一瞬、谷底までダイレクト滑走の誘惑に襲われたが、ここは仕事のことも考えて、こらえて何とかトラバースラインへ・・・
しかしこのトラバースが曲者であった。雪は繋がっているが、険悪な崖を超えたり、今にも雪崩れそうなグサグサ斜面のカットやあまり生きた心地のしない状況が続いたが、シール歩行ができる場面でにきて、稜線まで這いあがった。(これなら、谷下部まで滑り込んで、少し時間はかかるだろうが三の峰直下のコルめがけて500mほどの登り返しを登ったほうが安全だったこもしれないとあとで後悔。)
とりあえず稜線に復帰し、少し稜線滑走を楽しみ、コルからトラバース気味に夏道を目指すが、ここでも、行きの藪をカットしようとして、ラインを外して、2回ほど登り返す羽目になった、それなりに滑走も楽しめ、無難に夏道に復帰でき、先発4名つぼ足隊にも追いついた。
なかなか来ることのない大平壁、大満足です。(一ノ瀬チブリ尾根経由なら、簡単にこれますが、やはり、最初に大平壁のコンディションを観察しながらアプローチすることをおすすめします。クレバスでズタズタになる南斜面でありますので)
暑い暑い夏道をひーこらいいながら、修行にもってこいの別山大平壁夏道?山スキー登山でありました。
あとから観察するともっと下まで滑らんと大平壁じゃないような気もしないでもないのが、やや問題を残すこととなったのです。ほんの核心部の一部なのかな・・斜度は下の方が緩かったからまあいいか・・・・・
いずれにしてもマニアックロングコースで別山登頂、無事下山できたのでOKとしましょう。
意外に危険なトラバースをなんとかクリアして稜線復帰後、記念のセルフ。まだまだ生きてます・・
鳩が湯温泉は春景色・・・遠くに三の峰(右)と左奥に別山