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己の痛みを感じて人の痛みを知る [日常]

術後2週間経過。ちょうど2週間前の今頃が全身麻酔からさめた時間帯。右腕の痛みは軽くなったが筋力が著しく落ちたようで持ち上げようにも左手を介在させないとなかなか重くてあがらない・・・・文字を書いてもなんとか書けるし、生活も自力で頭を洗ったり着替えたりもできる。ただし、靴下を履く行為はなかなか大変で、2週間まるで靴下を履かず、患者さんの前以外はすべて短パンとジップTシャツでしのいでいる。靴はキーンのサンダル。。。まさに山服・トレラン服大活躍で、無駄にも思えるほど買い揃えてしまったアクティビティー用装備が大活躍である。

患者さんには手はどうしたんですかと聞かれ、”山で骨折したんですか??”とか言われたり、いい加減マジに答えるのはうんざりして、気の知れた患者さんや県警の関係の方には、ヤクザの女に手を出して、指をつめさせられたとか、引ったくりと格闘して斬り付けられたとか、適当なことを言って遊んでいる。患者さんは信じたのか信じていないのか・・・・弁解もせず、通過していたり。。。そのお返しとして県警本部の刑事さんからは〇〇事件の殺しの話とか、あの時の検死は最悪だったよな~とか裏話もチラホラ・・・・先生も好き?こういう話!!イヤイア、それほどでも・・・・

さて、今回の小さな手術をとおして、患者さんの、特に手術を経験した患者さんの気落ちが痛いほどわかるようになった。生死の境をさまようくらいの大手術をして、奇跡的に生還された方が今日来た。僕のこんな小さな手術で大変だったんだから、術後集中治療室での戦いは大変だったんだろうね・・・というと、本当に大変でした。管やコードでつながれて気が狂うほどの気分を味わいました。〇〇さん・・・ホントよくがんばったよ・・・・という会話。。このスムーズな会話ができただけでも僕はこの手術をした甲斐があったと思った。もちろん世の中にはもっと大きな手術・がんの克服をされたドクターもいるが、自分もようやく、患者さんの気持ちに少し近づけることができたのが誇らしかった。今となっては最前線医療はできない自分のできる唯一の道。。。。患者さんのみならず相手の気持ちになって考えることの大切さを学んだ。。。しかし一方では、相手の気持ちを考えすぎて、自分が一方的に犠牲になりすぎるという可能性も秘めているのも、相反する事実でもある。人間完璧な正義感で犠牲になるのはやはり耐え難い。どこかでお互いが譲り合ったり、その、困難を理解しあって、何らかの形で乗り越えることが必要。。。

話がそれましたが、己の痛みを知って、相手の痛みを知る。初歩的だが当たり前のことが難しくなってきているそんな時代でもある。


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