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緊張を快感に換える瞬間 [山スキー]

今の仕事は一般内科外来と健康診断・人間ドックを主体に行っている。元々は循環器内科でいわゆる心臓血管系の中心となる心臓カテーテル検査・および冠動脈手術を中心に行ってきた。心臓病は特に冬の良く冷えた深夜から朝にかけて発症することが多く当番の日にはポケベル!!(古い人間なもんで!!)を耳の横に置いて寝ていた。緊急呼び出しのベルが鳴ると出動までに5分、さらに、5分後には病院着、さらに検査開始までは15分・・約30分後には緊急検査を開始できるのが僕らの目標であった。お膳立ては当直の検査技師さんや看護師さんが心電図・心エコー・各種血液検査採血を行ってくれて僕ら医師はその検査材料をみて心筋梗塞・狭心症・胸部大動脈りゅう・・・の診断をくだし、即検査開始・・というプロトコールができていた。もちろん勝手に検査技師さんや看護師さんが検査を行うことはご法度だが、僕たちは日ごろ各種トレーニングで役割分担を明確にしており、もしこの過程でトラブルが起こったら当番医師が責任者となって彼らの全責任を負うといった完全なシステムができていた。すなわちお互いがプロとして認め合い、成り立つ分業であった。これらによりより速い検査システムが整っていた。拾った患者さんの状況によっては1週間帰宅できないとか・・(さすがに風呂くらいは入りに帰りましたが・・・)かなりの拘束と緊張を強いられることもあった・・・・

さて、今でこそ、そんな緊張する瞬間は仕事の上で起こることは少ないが、やはりこのような緊張を好む人間としては、生活の中にどこか、緊迫した瞬間を求めてしまう。そのひとつの形が、山岳スキーの世界かもしれない。何もこんな危機迫る行為で緊張を味わわなくても・・・とおっしゃる方は多いとは思いますが、それでしか、満足できない種族もいることはご了解してもらいたい・・・と言い訳がましく書いておこう。

警察組織の生活安全課の中に山岳救助隊なる特殊部隊が存在するのは、別に山でトラぶった登山者がいるから出来たのではなく、恐らくは、山岳救助隊の志願兵も本来山が好きで、好きな山で”同じような穴のむじなが存在し、彼らが山で危機に瀕しているのをほおっておけないから・・・”という自然な成り立ちで生まれたにすぎないと僕は思う。たとえば僕らが糖尿病の患者に”あんたが勝手に好き勝手に食べまくって糖尿になったんだからおらはあんたのことなんか知らねえ~~”とは僕たちは決して言わない。それと同じ。

山はごく一部の人間に対してかもしれないが、”必要不可欠な行為”なのだろうと思う。山の厳しさは人をはぐくみ、試練を与えさらに進化させ・・といった必要悪なのだろうと思っている。

必要のない行為ならとっくにこのようの3Kの代表行為は世の中から消えているだろう。と自分にいいように解釈し、また、山に行ってしまうであろう自分を擁護しておこう。。。

緊迫した時間を求めて3Kが大好きな僕らについてきてしまう女性もいたりする・・・いつか僕も高難度クライミングに連れて行ってくださいね。焼岳北面2300m付近はセミアルパイン、ザイルなしのフリーの世界でした。決してスリップは許されません。山は真剣勝負です

ナレーションにYASUHIRO先生の名前が出てしまいました。申し訳ありません・・

 

 


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