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お初の焼山北面・・絶体絶命のski-descent [山スキー]

さて、初めて焼山に行った。北面台地として有名で、山スキーの聖地とさえいわれているのだが・・・高気圧が張り出す絶好の日曜日、深夜発で必ず山頂を踏んで帰るという決意での臨んだ。結果は・・・9時間近くの登りで山頂、滑走時間2時間。しかし、その中身は・・・・・登りはクラストした上部斜面にてこずりながらも、なんとかトップで山頂をゲットしたが、滑走は大問題でした。決して大きな声で言えない滑落遭難一歩手前の絶体絶命の状況・・・(そういえば朝から県警ヘリが偵察しまくってたな・・・)ウインドクラスと激しいモナカの焼山山頂から東面に向かって深く考えずに?エントリー。その回り込んだ正面壁・・・

噴気孔直下の大斜面を硫黄のにおいから逃げるように滑走。すでにこの緩斜面(25度)でもかなり危険なクラスト、微妙なエッジコントロールで高度を下げるが・・・どんどん下降したその先は、完全にサンレイクラストとウインドクラスとが入り乱れて恐怖の45度斜面。どこにも逃げ場はない。草付きと枝の飛び出した斜面がオアシスに見える・・・だましだまし、ごまかしてエッジに命を託し、標高差300mのエッジングコントロールだけでの危ういski-descent.

最後に出た斜面は・・・・完璧な崖。斜度・・推定不能。二号雪渓に匹敵する50度以上。手をのばすとすぐそこには硬い雪面。・・ストックは装備したダブルセルフアレストがせめてもの強みであった・・・これだけをを手がかりにほとんどエッジ二本で斜面に張り付く。エッジが外れたら、100m以上は滑落するだろうな。岩に当ればアウト。誰かロープ垂らして~~~と叫びたい状況。でも、誰もいないよこんな場所。

もし下に吹きだまりがあるのなら、何とか止まるかも・・・ええいっ・・ままよっ・・・、死ぬ時はこんなもものかも。・・・・南無三。ヘッドカメラに遺言を唱えつつ、対岸にある草付きのブッシュめがけて氷のトラバース・・・なんとか枝をつかんで木の枝に乗った状態でキックターンもう一度対岸の草付きに向かって、微妙に高度を下げながら再びトラバース・・・スラフ雪崩も何度か落ちてきたが滑落のほうが怖くて雪崩は無視の状況(はあ~~~いかんこんなことやってちゃ・・・)

何度このトラバースを繰り返したか・・・・喉はからから、一瞬たりとも気の抜けない、ピンチの連続。最後は山頂噴気孔直下から焼山を半周するような状態で最悪のトラバースを切り抜けた・・・正直完璧な滑走ルートミス・・・・・何も知らない山域での滑走はやはりスタンダードが一番です・・・少なくとも雪が緩ければなんとかなったのですが。

  • 【山行実施日】2010.4.4(日)
  • 【山域】妙高~頸城山塊
  • 【山名】焼山
  • 【コース笹倉温泉~アマナ平~北面台地ルート~夏道側へ巻きルート(一部4級の崖)~前衛ニセピーク~山頂~東面滑走~正面壁~賽の河原上部トラバース~北面台地上部~アマナ平~笹倉温泉
  • 【メンバー】操 、三木(2200mで下山)
  • 【装備】操:ATOMIC Sugar Daddy153cm、Garmont、TLT
  •     三木:K2 GOT BACK  Garmont TLT
  • 【コースタイム】
  • 笹倉温泉            3:30AM
  • アマナ平           5:45
  • 2000m地点              6:51
  • 2200m                 8:09   
  • 2400m山頂              11:56
  • 滑走開始          12:15
  • 北面台地合流       13:09
  • 笹倉温泉          14:00
  • 正面.jpg

    登りは効率の悪い夏ルート方向へ向いてしまい、溶岩流溝横断でスキー担ぎ。その後再び硬い雪に阻まれ、担ぎ・アイゼンで岩稜帯へ。ルート見極めが悪くミックスのルンゼ登りとなる。

    滑走は東面経由で正面壁から賽の河原上部へ出ようと、おおよそのルートは登りで観察していたが、予想以上の傾斜とクラスト斜面、一部55度の崖に阻まれ危機に追い込まれる。

    結果は・・・生きて下山できました状態。非お勧めルート・・・雪が緩んでいればそれなりには降りれるでしょうが確率は低いでしょう。登攀具無しでは危険ルートです。一か八か的山行になってしまったのは大いに反省。雪が付いていなかったら進退窮まった可能性ありです。現場では意外に冷静に行動は出来き、スキーでクライムダウンでき、改めてスキーの持つ潜在能力に感動もしました。ロープ無しのアイゼンでの下降はきっと無理だっただろうと思います。

    いわゆるClimb and Descentといったルートになってしまった。

    焼山でヤケになって、焼かれちゃわなくて善かった・・・なんておやじギャグにもなりゃしません。

    焼山地図2.jpg

    No1. 山頂からの東面~正面壁へクラスト面の滑走動画・・

    No.2 とうとう崖に捕まった危機迫る状況を脱出できるか、南無三・

    No.3 ~そして危機からの解放・・・

    笹倉温泉にて生きていることを実感し、ご褒美?に糸魚川で再び寿司を食らう・・・・・

    そのほかは一般ルートで楽しい山行でしたが・・・・・

    焼山月.jpg

    深夜3時30分に出発。月を見ながらこのときはルンルン

    モルゲン.jpg

    モルゲンロートも最高です

    登り.jpg

    先頭で引っ張りました

    山頂に手.jpg

    山頂もクラストのがれ場を4級の登りをしてしまった・・・これもすでにルートミスだよ・・・山頂は11時50分着

    山頂より.jpg

    素晴らしい光景

    噴気孔直下.jpg

    噴気孔直下で硫黄臭に巻かれて逃げまくる。息を止めてのクラスト斜面の滑走は最悪でした・・・

    焼山地図1.jpg

    2010.4.4焼山標高.jpg

     


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