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本日の外来最終患者さん・・・・・ [お仕事!]

★★★たまには、まじめにお仕事の話★★★

左手の小指が朝になると痺れるとのことで、最初は頚椎症かなと思い頸椎MRI検査を行った。特に脊椎・神経は異常ないのだが、どうも頚動脈と頚静脈の様子がおかしい・・・どうみても血管が詰まりかかっている感じなのだ。すかさず頚動脈超音波検査を行ってまたところ、静脈は血栓閉塞を起こし、動脈はガタガタでひどいところは半分くらいは詰まりかかっており(狭窄率25~50%)、しかも血管の壁が石灰化でギザギザなのだ。(たとえが悪いが、西穂~奧穂稜線のギザギザな状態を思わせる)

この方、なんと私と同じ年齢でした!
危険因子は
1.喫煙(30本)
2.男性(4○才)
3.家族歴
4.高血圧(治療中)
5.高脂血症(未治療)
実のお父さんが脳梗塞・・と言っていたので、遺伝的な血管脆弱性と動脈硬化遺伝因子が存在するのは確実である。患者さんには事実を詳細に伝え血管の動脈硬化阻止の治療を開始した。
当然今まで無症状でたまたまこうやって見つかった異常であるが、この方は恐らく放置すれば数年内に脳梗塞で半身麻痺になっておるタイプだ。

でもこれだけの危険因子で血管があれほどまで(90歳くらいの血管??)ボロボロ・ガタガタになるのか??小指の痺れの症状と今回の血管の異常は関係があるかどうかは不明だ。現在は何も症状が無いので調べるのは困難だが、恐らく、何らかの血管の炎症が引き金になったのだろう。その他、大動脈炎症候群など自己免疫性血管炎などの鑑別も必要だ。
そのほかにも、血管を障害する因子として、いろいろな説があるが・・・
1.虫歯の菌が、血管を侵食する
2.クラミジア菌が動脈硬化を進行させる
3.胃潰瘍の原因になるピロリ菌が血管を破壊する
などなど・・・
いずれにしてもこの方、何とか、脳梗塞や心筋梗塞にならないように厳重予防が必要になってしまったのは言うまでも無い・・・・


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