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新たな知見を求めるということ [日常]

私は取り立てて素晴らしい才能や頭脳・運動能力、秀でたタレント性など何も持ち合わせていない。世の中の多くの80%位??の人々は凡人なのだろうとは、思っている。大学病院で大学院生をやっていた(一応これでも・・ちょっと科学者だった時期もあったり?!)時分に、所属していた循環器内科の担当教授は京都大学医学部卒業のいわゆる我々凡人とは違ったいわゆる優秀な方だったのだが、この教授は大学院1年の僕によく言ってくれた言葉があった。

”あんたな~~、この世界で日本一になることなんか簡単なことやんけ~。やるなら世界一を目指さないかんのやで~~”とヘンテコな関西弁で毎日のように言われていた。(その筋の人ならば、このしゃべり口調を聞けば誰だか判明してしまうのでしょうね・・)。 確かにこの教授が当大学病院に着任されてから、今まであまり縁のなかった循環器科の中では最高峰の国際学会AHA(アメリカ心臓病学会)に学会演題をバンバン出し、採択され、また、学会誌にも数多くが掲載され、ある限られた分野ではあるが、当大学はいわゆるその中でも先駆的な学部として少しは認知されたと思う。

この際言っておきますが、大学での研究の中には本当に世の中に役立つ内容とそうでない内容があったりして、自己満足的な要素も多分になるので、僕の研究も含めて、実際に世の中の役に立つものではないことをお断りしておきます。

ちなみに私がやってた研究内容は、今 話題の再生医療の、ほんの先っぽの詰まらない内容(アポトーシス・ストレス蛋白の分野)なのですが、いきなりこの学会誌に当医局初の快挙として掲載が決まって同僚・先輩医師からはうらやましがられたものだ。自分の力ではなく教授の言われたとうりに研究し論文を書いて提出しただけで、私はほとんど頭は使わず体だけ使った状況だったことだけはお知らせしておきます(今と同じジャン!!)・・・・ちなみに京都大学医学部は再生医療の道では日本のみならず世界最高レベルの水準です。そういう環境で育った教授だったので否応なしに見る目先はいつも、二歩も三歩も先の世界を見ているのだろうと思う。

さて、一昨日山スキーにご一緒させていただいた、早川氏はなぜかこの教授とだぶって見えた。体力だけで乗り切れる場面は、はっきりいって若い尖鋭的冒険家がいれば圧倒的な力を発揮するであろうが、それとはまったく違った、氏はどこか科学者の香りが漂っているのである。見ている目先は一歩ではなく二歩以上先で、その先に何が待っているか、どんなことが起こるのか・・直感なのか経験なのか、それはわからないが、いつも、今ではなく、先を見て行動している。自分では思いもつかないような方向へ体を向けている。助手に実験させるのではなく、自らが進んでその道を切り開く姿は、まさに科学者の目つきそのものなのである。しかもスマートに、さらりとやってのけてしまう姿が如何にも頼りがいがある。決して自ら楽をするのではなく苦労を課してそれを乗り越える姿は、まさに先駆的科学者と言わずしてなんと言おう。氏の、山への情熱と仕事への情熱は果てしなく等しく感じられた。同じ人間としてなんでここまで情熱が異なっているのだろうか、それを感じて、少し自分がさびしくなったりもしたのもまた事実である。

常に先を見続けるその姿をいつまでも追い続けてゆきたい・・・・・・・・・

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次はどこを見ているのでしょうか??

 

氏の山に対する姿を追って始めた山スキーである。また、いつか氏と行動を共にさせていただくことができたら、もうすこし仕事・山のどちらについても、成長した姿を見ていただけるように、さらに精進してゆこうと思える山行だったのです。これからは体力だけでは先へ進めないだろうから、それを補う技術・知識・知恵などもっと新たな知見を求めて進みたいと考えている。


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